肌の「ホワイトニング」との表現が思わぬ波紋を!露骨な表記を止めるメーカーが続出

ホワイトニング

「肌のホワイトニング」といえば、多くの女性にとっての関心事の一つといえるのではないでしょうか。日本国内のみならず、世界中の化粧品メーカーが「美白」や「ホワイトニング」を意識する女性のニーズを取り込もうとして、研究開発を続けています。テレビやインターネット、電車内広告など、多くの場所で各メーカーによって繰り広げられる競争を目にしたことがある人も多いかもしれません。近年、問題視されているのが「ホワイトニング」という表現です。日本人の視点からすれば全く違和感のない表現ですが、大手化粧品メーカーやその取引先、関係者などを中心に波紋が広がりを見せています。

実はこの「ホワイトニング」が問題視される背景には、人種差別を巡るさまざまな不安や懸念があることが挙げられます。白人至上主義や黒人をはじめとした有色人種への根強い差別や偏見は、現代社会においても依然として残る人類共通の課題です。日本を代表するテニスプレイヤーとして知られる大阪なおみさんのアニメーションによるコマーシャルで肌色の演出問題が勃発。不適切だったとして、スポンサーの大手食品メーカーが謝罪したことは記憶に新しいところです。

化粧品メーカーにとっては日本国内だけでなく、海外のマーケットでの販売戦略の成功が不可欠です。当然ながら、人類が抱える不安や懸念、課題などを無視することはできません。複数の国内化粧品メーカーが「ホワイトニング」の表現を止める決断を下すことになったのは、このような国際情勢に配慮したからです。米国やヨーロッパ諸国、日本など先進国を中心に、現在でも白人のファッションモデルや俳優などの重用が見られます。前述した通り、白人至上主義や黒人差別への配慮が求められる化粧品メーカーの模索が続くことになるでしょう。